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令和元年・2019|問39|会社法

取締役会設置会社(指名委員会等設置会社および監査等委員会設置会社を除く。)の取締役会に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものの組合せはどれか。なお、定款または取締役会において別段の定めはないものとする。

ア.取締役会は、代表取締役がこれを招集しなければならない。

イ.取締役会を招集する場合には、取締役会の日の1週間前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役および各監査役)に対して、取締役会の目的である事項および議案を示して、招集の通知を発しなければならない。

ウ.取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。

エ.取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。

オ.取締役会の決議に参加した取締役であって、取締役会の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。

  1. ア・イ
  2. ア・オ
  3. イ・ウ
  4. ウ・エ
  5. エ・オ

>解答と解説はこちら

【答え】:1
【解説】

ア.取締役会は、代表取締役がこれを招集しなければならない。

ア・・・誤り

取締役会は、各取締役が招集します。
ただし、取締役会を招集する取締役を定款又は取締役会で定めたときは、その取締役が招集します(会社法366条1項)。

よって、取締役会は、原則、各取締役が招集するので、誤りです。

イ.取締役会を招集する場合には、取締役会の日の1週間前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役および各監査役)に対して、取締役会の目的である事項および議案を示して、招集の通知を発しなければならない。

イ・・・誤り

取締役会を招集する者は、取締役会の日の1週間前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び各監査役)に対してその通知を発しなければなりません(会社法368条1項)。

上記通知の際、取締役会の目的である事項および議案を示す必要はないので誤りです。

ウ.取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う。

ウ・・・正しい

取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行います(会社法369条1項)。

よって、本肢は正しいです。

エ.取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができない。

エ・・・正しい

取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができません会社法369条2項)。

よって、本肢は正しいです。

【対比】 株主総会決議においては、特別の利害関係を有する株主であっても、原則、議決権を行使することができます
【理由】そもそも株主は会社のオーナーだから

ただし、例外として、決議の結果について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことにより、
著しく不当な決議がなされた場合には、決議取消事由に該当し、株主総会決議取消の訴えがなされる可能性があります。
【例】多数派株主であり取締役であるXが死亡後、その相続人が議決権を行使し、
会社財産のほとんどを退職慰労金等としてXの相続人に支払う旨の株主総会決議を成立させた場合

【特別の利害関係を有する取締役の具体例】
  • 代表取締役の解職決議における代表取締役
  • 譲渡制限株式の譲渡承認決議において譲渡人や譲受人となる取締役等
【特別の利害関係を有する取締役は定足数から外される】
「特別の利害関係を有する取締役」は、取締役会議決に加わることができず(会社法369条2項)、その決議事項について、定足数からも除外されます 。 例えば、取締役5人で構成される取締役会があり、そのうちの1人に特別利害関係がある場合、残り4人で取締役会を開いて決議をします。 ちなみに、取締役会の決議をするためには、原則、「議決に加わることのできる取締役の過半数の出席(定足数)」し、「出席した取締役の過半数が賛成」が要件となります(会社法369条1項)。 そのため、上記事例では、4人のうち3人が出席し、その過半数である2人以上の賛成で可決となります。
オ.取締役会の決議に参加した取締役であって、取締役会の議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。

オ・・・正しい

取締役会の決議に参加した取締役であって、決議の議事録に異議をとどめない者は、その決議に賛成したものと推定します(会社法369条5項)。

よって、本肢は正しいです。


問1 著作権の関係上省略 問31 民法:物権
問2 基礎法学 問32 民法:債権
問3 憲法・議員 問33 民法:債権
問4 法の下の平等 問34 民法:債権
問5 選挙権・選挙制度 問35 民法:親族
問6 教科書検定制度 問36 商法
問7 憲法・その他 問37 会社法
問8 行政法 問38 会社法
問9 行政法 問39 会社法
問10 行政法 問40 会社法
問11 行政手続法 問41 憲法
問12 行政手続法 問42 行政法
問13 行政手続法 問43 行政法
問14 行政不服審査法 問44 行政法・40字
問15 行政不服審査法 問45 民法・40字
問16 行政不服審査法 問46 民法・40字
問17 行政事件訴訟法 問47 一般知識・政治
問18 行政事件訴訟法 問48 一般知識・政治
問19 行政事件訴訟法 問49 一般知識・政治
問20 問題非掲載のため省略 問50 一般知識・経済
問21 国家賠償法 問51 一般知識・経済
問22 地方自治法 問52 一般知識・政治
問23 地方自治法 問53 一般知識・経済
問24 地方自治法 問54 一般知識・情報通信
問25 行政法 問55 一般知識・情報通信
問26 行政法 問56 一般知識・情報通信
問27 民法:総則 問57 一般知識・個人情報保護
問28 民法:総則 問58 著作権の関係上省略
問29 民法:物権 問59 著作権の関係上省略
問30 民法:物権 問60 著作権の関係上省略

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