売買とは?
売買とは、売主が「モノや権利」を買主に渡すことを約束し、買主が代金を支払うことを約束することで成立し、売買の効力が生じます。
例えば、売主が買主に200万円で自動車を売買するとすると。
売主が買主に自動車を引渡すことを約束し
買主が売主に200万円を支払うことを約束することで成立します。
手付とは?
手付とは、売買契約を交わす時に、買主が売主に対して渡すお金を言います。
そして、手付には「解約手付」「証約手付」「違約手付」の3種類があります。
「解約手付」は、あとで契約解除できる権利を置いておく(留保する)ための手付です。
- 買主から解除する場合、売主に渡した手付金を放棄して(手付金を売主にあげて)解除することができます(民法557条)。
- 売主から解除する場合、買主が履行に着手するまでは、手付の倍額を買主に渡して(償還して)解除することができます(民法557条)。
【具体例】
① 買主が解除する場合
売主が履行に着手する前であれば、手付金として支払った100万円をそのまま売主にあげることで解除できる
② 売主が解除する場合
買主が履行に着手する前であれば、手付金として受け取った100万円にプラス100万円を売主が上乗せして(合計200万円)買主に渡すことで解除できる。
「証約手付」は、契約が成立した証拠のための手付です。
「違約手付」は、債務不履行があると没収される手付です。
売買契約に関する費用
売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担(折半)します(民法558条)。
例えば、契約書を作成するための費用としては、「印刷費用」、「契約書に貼付する収入印紙の費用」、「公正証書で売買契約を締結するときは公証人に対する費用」等があります。
売主の義務
車や不動産などの売買を行う場合、売主は、登録や登記を買主に移転して、買主が対抗要件を備えるようにさせる義務を負います。(民法560条)
他人物売買も有効ですが、他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売ったときはは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負います(民法561条)。
民法テキストの目次
総則
- 権利能力・意思能力・行為能力
- 未成年者
- 成年被後見人
- 被保佐人
- 被補助人
- 心裡留保
- 虚偽表示
- 錯誤
- 詐欺
- 強迫
- 失踪宣告
- 代理の基本
- 無権代理の基本
- 無権代理と相続の関係
- 表見代理
- 時効の基本
- 「時効の完成猶予」と「時効の更新」
- 取得時効
- 消滅時効
物権
- 即時取得
- 占有権
- 占有保持・占有保全・占有回収の訴え
- 囲繞地通行権
- 竹木の枝・根の切除
- 共有
- 地役権
- 留置権
- 先取特権
- 質権
- 抵当権
- 抵当権の順位変更
- 抵当権の順位譲渡・順位放棄
- 法定地上権
- 根抵当権
債権
- 債務不履行
- 債権者代位権
- 詐害行為取消権(詐害行為取消請求)
- 連帯債務
- 保証債務(保証の基本)
- 連帯保証
- 債権譲渡
- 債務引受
- 弁済
- 相殺
- 契約解除
- 贈与
- 売買
- 契約不適合責任
- 賃貸借
- 転貸・賃借権の譲渡
- 貸人の地位の移転(賃貸人の変更)
- 賃貸借の終了
- 請負
- 委任
- 寄託
- 組合
- 事務管理
- 不当利得
- 不法原因給付
- 不法行為
- 使用者責任
- 工作物責任
親族
- 婚姻の基本
- 婚姻の無効と取消し
- 婚姻の解消
- 嫡出の推定
- 「嫡出否認の訴え」と「親子関係不存在確認の訴え」
- 認知
- 普通養子縁組
- 特別養子縁組
- 親権
- 扶養
- 相続欠格と相続廃除
- 特別受益者の相続分
- 単純承認・限定承認・相続放棄
- 遺言
参考条文
(売買)
第555条 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。(売買の一方の予約)
第556条 売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。
2 前項の意思表示について期間を定めなかったときは、予約者は、相手方に対し、相当の期間を定めて、その期間内に売買を完結するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、相手方がその期間内に確答をしないときは、売買の一方の予約は、その効力を失う。(手付)
第557条 買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
2 第五百四十五条第四項の規定は、前項の場合には、適用しない。(売買契約に関する費用)
第558条 売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。(有償契約への準用)
第559条 この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。(権利移転の対抗要件に係る売主の義務)
第560条 売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。(他人の権利の売買における売主の義務)
第561条 他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

