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嫡出否認の訴えと親子関係不存在確認の訴え

父親との親子関係を否定するための訴訟には、「嫡出否認の訴え」と「親子関係不存在確認の訴え」の2つがあります。

違いについては、子が「推定が及ぶ子」か否かでどちらの訴えを提起できるかが異なります。

嫡出否認の訴え

推定が及ぶ子」について、父親が自分の子供でないと主張する方法は嫡出否認訴訟しかありません。

嫡出否認訴訟の原告と被告

嫡出否認訴訟の提訴権者(原告)は、「夫・元夫」「子」「母」です(民法774条)。かつては夫のみに認められていた権利ですが、現在は子や母自身の意思で、血縁に基づいた正しい親子関係を確定させることが可能となっています。

被告については、夫・元夫が提起する場合は「子または母」元夫が提起する場合は、「父(夫)および子また母」子が提起する場合は「夫」母が提起する場合は「夫」となります(民法775条)。

嫡出否認訴訟の出訴期間

嫡出否認の訴えは、夫、子、母、元夫がそれぞれ下記期間内に提起しなければなりません(民法777条)。

  • が嫡出否認を申し立てる場合、その子の出生を知った時から3年以内
  • が自ら父子関係を否定する場合、その出生の時から3年以内。ただし、子が未成年の間に、母や親権者が子に代わって否認権を行使しなかった場合でも、子が成人(18歳)に達した後は、子自身が「自分が成人した時から3年以内」に訴えを提起することが可能です。
  • が嫡出否認を申し立てる場合、その子の出生の時から3年以内
  • 前夫が嫡出否認を申し立てる場合、前夫が子の出生を知った時から3年以内

以前の1年という期間から3年に延長されたことで、じっくりと状況を判断して手続きを行うことができるようになっています。 なお、父親(夫)または母親が、子の出生後にその子が嫡出であることを承認したときは、その後に否認権を行使することはできなくなります(民法776条)。

親子関係不存在確認の訴え

親子関係不存在確認の訴えは、嫡出推定が及ばない子(外観上、夫の子を妊娠し得ないことが明らかな場合など)について、親子関係がないことを確認する手続きです。

親子関係不存在確認訴訟の原告と被告

親原告は、親子関係の存否を確定する利益(訴えの利益)がある者であれば認められます。これには、夫、母、子のほか、相続権に影響を受ける第三者などが含まれます。 被告は、当事者の一方が提起する場合は「他の一方」を、第三者が提起する場合は「当事者の双方」を被告とします。

具体例については個別指導で解説します。

第三者が提起する場合は、当該身分関係の当事者の双方を被告とします。

親子関係不存在確認訴訟の出訴期間

この訴訟には、嫡出否認の訴えのような出訴期間の制限はなく、いつでも提訴することが可能です。

民法テキストの目次

目次

総則

物権

債権

親族

参考条文

(嫡出の推定)
第772条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

(嫡出の否認)
第774条 第七百七十二条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。

(嫡出否認の訴え)
第775条 前条の規定による否認権は、子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。

(嫡出の承認)
第776条 夫は、子の出生後において、その嫡出であることを承認したときは、その否認権を失う。

(嫡出否認の訴えの出訴期間)
第777条 嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から一年以内に提起しなければならない。

第778条 夫が成年被後見人であるときは、前条の期間は、後見開始の審判の取消しがあった後夫が子の出生を知った時から起算する。

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