制限行為能力者と取引した者は、いつ取り消されるか分からない状態(法的に不安定な状態)です。
そのため、相手方は、「1ヶ月以上の期間」を定め、取消しするか追認するかを確答すべき旨を催告できます。
まず、上表で一番わかりやすいのが、「催告の時期」について「行為能力者に回復した後」についてです。契約したときは制限行為能力者であったがその後、行為能力者に回復した後に、本人(以前制限行為能力者だった者)に対して催告した場合を考えてみましょう(①と④)。この場合、催告した時には行為能力者に回復しているので、追認したり、取り消ししたりできる能力はあるわけです。それにもかかわらず追認するか取消すかの確答をしないことは、本人に落ち度があります。そのため、確答しない場合、相手方を保護して「追認」とみなすわけです。
そして②と⑥も同様の理由で「追認」とみなします。催告の相手方が法定代理人(「未成年後見人・親権者」「成年後見人」)や保佐人、補助人などの保護者の場合も追認したり取り消ししたりできる権利を持っているので、保護者に催告して確答しない場合は「追認」とみなされます。
※未成年後見人:親がいない未成年者を保護・管理する後見人
そして、混乱しやすいのが、③と⑥の違いです。
③について、未成年者や成年被後見人は、そもそも催告を受ける能力がありません。そのため、「催告自体が無効」になります。
一方、⑤について被保佐人や被補助人に対して催告した場合、催告を受ける権利はありますが、確答しない場合、「取り消し」とみなされます。

